ダーツの飛びに回転は必須?ジャイロ効果とリリースの関係を科学的に分析!

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目次

はじめに

「ダーツは回転したほうが飛びが安定する」とよく言われます。

しかし、プロの中には無回転で安定して投げている選手もいます。

たとえば、星野光正選手、酒井素選手は、ほぼ無回転のダーツで、安定した飛びを実現しています。

 

ダーツの回転は本当に必要なのか?

また、回転の理由は ジャイロ効果(回転による飛行安定)なのか、それともリリースの安定のためなのか?

本記事では、この疑問について物理学・工学的な視点から深掘りしていきます。

 

筆者の簡単なプロフィール

筆者の簡単なプロフィール

ダーツ歴12年、PERFECTプロ歴3年。

ダーツの技術やバレルの特徴を調べるのが楽しみです!

実際に投げたバレルは400種類以上。(2022/3月現在)

数多くのレッスン受講歴あり、イップス・グリップイップスという経験から自身でも身体について勉強しています。

 

ダーツの回転は本当に必要?

一般的な認識:「回転すると飛びが安定する」

多くの人は「回転があると飛びが安定する」と考えますが、それは本当でしょうか?

例えば、野球のストレートやバスケットボールのフリースローでは、回転が飛びの安定に寄与することが知られています。

しかし、ダーツの場合、投げる距離は わずか2m44cm です。

この短距離で回転が飛びにどれだけ影響を与えるのでしょうか?

実際に、無回転でダーツを投げるプロも存在します。 つまり、回転なしでも飛びが安定するケースがある ということです。

 

では、回転をかける理由は何なのでしょうか?


回転の影響:ジャイロ効果 vs リリースの安定

ジャイロ効果とは?

ジャイロ効果とは、回転する物体が軸を維持しようとする性質です。

銃弾やフリスビーは、回転をかけることで飛行中の向きを安定させています。

しかし、ダーツの場合、飛行距離が たった2m44cm しかないため、ジャイロ効果が十分に作用する前にボードに到達してしまう可能性があります。

 

「2m44cmではジャイロ効果はほぼ誤差レベル」

シミュレーションによると、ジャイロ効果による安定性は数値的には存在するものの、 2m44cmの短距離では誤差レベルの影響しかない という結果が得られました。

計算の方法

今回は、以下のパラメータを用いてジャイロ効果と空気抵抗を計算しました。

  • ダーツの重量:18g
  • ダーツの長さ:45mm
  • バレルの最大径:7mm
  • シャフトの長さ:33mm(標準的なミディアムシャフト)
  • フライトの形状:スタンダードフライト(空気抵抗を大きめに設定)
  • 回転数(スピンレート):10回転/秒(回転あり)と0回転/秒(無回転)を比較
  • 空気抵抗係数(Cd):0.4(一般的なスタンダードフライトを基準とした推定値)

 

空気抵抗係数(Cd)とは?

物体が空気中を移動する際に受ける抵抗の大きさを示す数値 です。

一般的に、Cdの値は物体の形状や表面の状態によって決まるため、ダーツのフライト形状がこの係数に影響を与えます。

例えば:

  • フライトが大きい(スタンダード形状)→ Cdが大きくなり、空気抵抗が増える→直線的な飛びは減少するが、飛行中の安定性は向上する
  • フライトが小さい(スリム形状)→ Cdが小さくなり、空気抵抗が減る→スピードが出やすいが、安定性が下がる

 

項目
現在の飛距離(m2.44m(スローラインからボードまでの距離)
現在の飛行時間(s0.517秒2.44mを17km/hで飛んだ場合)
ジャイロ効果が有意に影響する距離(m12.99m(約13m)

 

この結果から、ジャイロ効果が飛びの安定性に影響を与えるためには約13m以上の飛距離が必要である ことがわかりました。

つまり、 ダーツの競技距離(2m44cm)ではジャイロ効果はほぼ無視できる レベルと言えます。

回転の役割は 飛びの安定ではなく、リリースの安定のため である可能性が高いのではないでしょうか?

 

回転あり vs 無回転のプレイヤー

公式の試合映像・エスダーツチャンネルのスロー映像などを分析し、JAPAN・PERFECTの選手達のダーツの回転について調査しました。

※自己調べのため、選手の飛び方を保証するものではありません。

選手名回転の方向特徴
浅田斉吾左回転明確にスピンをかかるスタイル。
リリースの安定を意識したグリップの作り方をしている。
村松治樹左回転スムーズなリリースで自然に左回転がかかる。回転の再現性が高い。
山田勇樹左回転親指で自然に回転をかけている。リースの指の開き方によって変わる場合がある
鈴木未来右回転スティール世界チャンピオン経験者。右回転で安定した飛びを実現。
大和久明彦右回転人差し指の引っ掛かりを活かし、右回転をかけている。
酒井ほぼ無回転軽い押し出し型のリリースで、指離れが滑らか。ほぼ無回転で投げる。
後藤智弥ほぼ無回転押し出し型のリリースで、ダーツに回転をほぼ与えていない。

「選手達の投げ方を調査すると、回転は飛びの安定ではなくリリースの安定のために使われていることが推測されます。」

 

X(旧Twitter)より

結論:ダーツに回転は必要なのか?

今回の調査から分かったこと

ダーツの回転は必ずしも必要ではない。

ジャイロ効果は短距離ではほぼ影響しない

ダーツの回転は飛びの安定ではなくリリースの安定性を向上させるために使われている。

回転あり、無回転のプレイヤーのどちらもトップレベルで活躍しており、回転の方向や回転数を過度に気にする必要はない。

回転の有無を意識するよりも、自分に合ったスローを安定させることが最も重要。

 

「回転の方向や回転数は個人差があり、どれが正解ということはない。

自分にとって安定したリリースを見つけることが最も重要と考えます!!

 

私自身もダーツの回転をすごく意識していた時期がありました。

 

皆さんが少しでも自分の飛びに自信を持ち、ダーツそのものがより楽しめるようになることを願っています!!

 

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浅田プロ、鈴木プロもYOUTUBEで語っていますので、ご参考に!


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