DYNASTY RIELL7 レビュー|刷新したイメージを徹底解説

    目次

    はじめに

    この記事では、DYNASTYより発売されたリエル7(清水舞友選手モデル)のバレルについて、物理学・解剖学・競技的視点から徹底的に分析しています。

    リエル7は、前作リエル6から設計を大きく見直し、推進力や再現性の向上を狙った構造が随所に見られます。
    全体の形状やカット、重心バランスなどの工夫により、「脱力してもしっかり飛ぶ」「指から自然に抜ける」「安定して持てる」といった性能を実現しています。

    リエル7ってどんなダーツ?清水舞友選手モデルって自分にも合うの?
    そんな疑問を持つ方に向けて、このバレルが合うプレイヤーや設計者の狙いの考察まで丁寧に解説していきます。

    リエル7のスペック詳細

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    項目数値備考
    全長43.0mm操作性と安定感のバランスが取れた標準的な長さ
    最大径7.4mm指の接地面積が広く、ホールドしやすい太さ
    重量19.0g or 21g軽すぎず重すぎない、扱いやすい標準重量 もしくは
    抜けやすさと直進性を最大化し“自然に前へ進みやすい
    重心セミフロント押し出しやすく、直進性を高める重心設計
    材質タングステン90%高密度&耐久性高い

    リエル7のアウトラインからみえる意図

    前作(RIELL6)は全長40.0mmで、やや短く重心が手前に寄りやすい設計でした。
    今作では全長を43.0mmに延長し、前方テーパーも拡張されたことにより、押し出し時の推進力が向上しています。
    その影響を軽減するため、グリップ圧が均等に分散されるリング構造と、段差のない滑らかなアウトラインが補助的に作用しています。

    万人に扱いやすい全長

    43.0mmという“ややショート寄り”の全長は、手の中で扱いやすいという利点があります。


    一方で、指と指の間が広がりやすくなるというデメリットも考えられます。
    特に手の小さいプレイヤーや、指を詰めて持つスタイルの方にとっては、前作(リエル6:40.0mm)よりグリップの一体感が下がる可能性があります。

    前方部は、鋭角テーパーを採用

    スクリーンショット 2025 04 19 8.37.06

    これには2つの効果が期待できます。

    1. 推進力(初速)を高める効果
    2. 視覚・感覚的に前へ投げる意識を強める効果
    • 鋭角なテーパーは、自然に前方への意識が強くなる

     

    最大径

    7.4mmの太め設計と1.2°の緩めのテーパーの採用により、指の接地面積が広くなり、力を入れなくても安定したホールド感が得られます。

     

    これら3つが合わさり、脱力しても推進力を得やすく、リリースの再現性が高まるようになっています。

    重量

    19gは、軽すぎず重すぎないちょうど良い重量により、万能なタイプ。

    21gは、より重心が安定し、押し出しの力がダーツに乗りやすくなる傾向があります。
    リリースタイミングがややシビアになるのと同時に、勝手に前へ飛ぶ感覚が強くなる傾向があるため、フォームが固まってきたプレイヤーにお勧めです。

    リエル7のカット構成

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    ◉ 前方

    • 前作からのデザインカットを引き継いでます。
    • フロント2本のリングカットは指を置くプレイヤーの目印として機能

    ◉ 中央部

    • ロゴ付近から後方にかけて、微妙なアウトラインの変化が設けられており、視覚的に「ここからがグリップエリア」であることを自然に認識できる構成となっています。
      これにより、毎回のグリップ位置が安定しやすく、再現性向上につながります。

    ◉ 後方(グリップエリア)

    中央部から続くカット部の太溝と細溝の交互配置により、触覚的にもグリップ位置を明確に感じ取れるようになっており、視覚+触覚の両面からグリップの安定をサポートしています。

    Screenshot
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    • ストレート気味なアウトラインに、「太い溝(約1.4mm)」と「細い溝(約0.4mm)」の交互配置を採用
    • 最大径7.4mmにより、「ここを持つべき」というグリップ部分が分かりやすくなっています。

    リエル7のカット構造は、緻密な数値設計と視覚・触覚の誘導性が融合した構成となっており、あらゆるレベルのプレイヤーが“迷わず安定して握れる”ことを目指したことが読み取れてきます。

    リエル7の飛び方(一例)

    RIELL7の飛び方は、簡単に言うと「よく伸びて、真っすぐ飛びやすい」。

    少しの力でもダーツがしっかり前に進んでくれる感覚を得られます。

    また、グリップ部分が安定しているので、毎回同じように持ちやすく、フォームの練習やリリースの安定性を高めてくれます。

    推進力:前方テーパーにより初速が付きやすい

    推進力が上がるメリットとしては、軌道が伸びやすく、ラインがブレにくくなります。

    軽い力でもダーツが前に進むため、脱力フォームとの相性が良好です。

    押し出し系プレイヤーでも、指の動きが矢速にしっかりと反映されます。

    注意点

    力が前方へ強く抜けるため、リリースが遅れると失投(下抜け)しやすくなります。

    グリップ位置やフォームが安定していない場合、推進力が暴れとして出る可能性があります。

    カットの耐久性

    カットは深さ0.70mmのため、通常使用でのグリップ感低下は起こりにくく、多少の摩耗でも「指がかかる感触」は残りやすい。

    カットの角の立ちが少ないため、摩耗による“違和感”が出にくい。

    毎日2時間の使用で、約6〜8ヶ月ほどで「ややカットが浅くなってきた」と感じる人が出始めると想定される。

    リエル7が合うプレイヤーと合わないプレイヤー

    ⭕️リエル7が合うプレイヤー

    力まずに、流れに乗せて投げるフォームで、軽く持ちたい方

    同じ持ち方を再現しやすいバレルを探している方

    押し出すように投げるプレイヤー

    汗をかきやすいが、カットでしっかり止めたい方

    🔺リエル7が合わない可能性があるプレイヤー

    45mm以上など通常〜長めのバレルを好むプレイヤー(→ 43mmはやや短め)

    前方を持って投げるスタイルのプレイヤー(→後方カットがメイン)

    指先に力が入りやすいプレイヤー(→ カットが強めで、ダーツが抜けにくくなることがある。)

    強めのカットでリリース引っかかりが欲しいプレイヤー(カットに丸みがあり、角が柔らかめ)

    総合評価

    リエル7は「後方グリップ・再現性重視・軽い力での推進力発揮」をテーマに設計されたバレルです。

    前方のテーパーと後方の深いリングカットによって、高い直進性と安定したリリースが得られます。

    全長が短めで万人向けとは言えませんが、合うプレイヤーには非常に高いパフォーマンスを発揮する完成度の高いバレルです。

    設計角度に関する深い考察

    フロント部で推進力を生み出す

    リエル7の前方テーパーは、約13.7°。

    スクリーンショット 2025 04 19 8.37.06
    • 角度が急なほど、指が前方へ滑るように抜けやすくなります
    • 押し出す力が上方向や斜め方向に逃げにくく、直線的なエネルギーに変換されやすい

    フロント部分だけでも、リエル7は推進力を意識した意図が感じられます。

    後部は緩やかなテーパー

    ◉ グリップエリアの深掘り分析

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    • 後方はストレート気味のアウトラインに、深さ約0.70mmの幅広カット(約1.4mm)と幅狭カット(約0.4mm)を交互に配置しています。
    • リエル7の後方には、わずか約1.2°の非常に緩やかなテーパーが設計されています。
    • 最大径7.4mmの太軸形状により、指の接地面積が広くなり、軽い力でも安定してグリップしやすい。
    • カットには丸みを持たせることで、指の引っ掛かりが均一になりやすく、汗をかいてもグリップ感が維持されやすい。

    掛かりと抜けの最適バランス

    幅広カット:しっかりと指に掛かる支点
    幅狭カット:指がスムーズに抜けるため
    → 強く握らなくても安定し、リリースも自然に行いやすいカット配置です。

    「グリップ圧が分散されるアウトライン」と「掛かりすぎず抜けすぎないカット」が一体化されており、力まずに、流れに乗せて投げるフォームでも安定したスローが実現しやすいバレルとなっています。

    後方テーパーは、約1.2°の非常に緩やかなテーパー。

    Screenshot

    なぜ完全なストレートにしなかったのか?

    完全なストレート形状は、グリップ時の安定感を確保しやすい反面、指がリリース時に抜けづらくなる傾向があります。
    指の腹がバレルに対してフラットに当たりすぎると、リリース時に「引っかかる」「遅れる」といった現象が起きやすくなります。
    わずかなテーパーを入れることで、指が自然に前方へ滑り、抜けがスムーズになるよう調整したと想定されます。

    なぜ2°ではダメだったのか?

    2°程度の角度でも一般的には「緩やか」とされますが、RIELL7ではあえて1.2°に抑えられています。

    これは以下のような理由が考えられます。

    • 2°では抜けが早すぎる → 指が滑りすぎてリリースが早まり、前抜けや失投の原因になりやすい
    • グリップの“掛かり感”が弱くなる → スロー前に不安定さを感じ、強く握ってしまう傾向が出てしまう
    • 手の小さなプレイヤーや3フィンガーには、指と指の間が開きすぎる → 軽いグリップで投げるようなフォームが作りにくくなる

    グリップの安心感・自然なリリース・再現性を高める上で「抜けすぎず、引っかかりすぎず」のバランスをとったのが、1.2°のテーパーだったと考えられます。

    1°のテーパー角を持つバレルは他にも存在しますが、リエル7のように脱力して投げたときに自分の思った通りに飛んでくれる。
    そのような高い再現性があるバレルは、多くはないのではないでしょうか。

    さいごに

    RIELL7は「後方グリップ・再現性重視・軽い力での推進力発揮」をテーマに設計された意図を感じました

    鋭いテーパーと深いリングカットによって、脱力型でも高い直進性と安定したリリースが得られます。

    万人向けとは言えませんが、合うレイヤーには極めて高いパフォーマンスを発揮する。そんな完成度の高いバレルだと感じました。

     

    詳細は公式サイトで確認してください

     

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    筆者の簡単なプロフィール

    ダーツ歴12年、PERFECTプロ歴3年。

    ダーツの技術やバレルの特徴を調べるのが楽しみです!

    実際に投げたバレルは400種類以上。(2022/3月現在)

    数多くのレッスン受講歴あり、イップス・グリップイップスという経験から自身でも身体について勉強しています。

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