当ブログでは、アフィリエイト広告を使用しており、記事内に広告が含まれる場合があります。
はじめに
有原竜太プロのフォームには、他の選手にはあまり見られない2つの大きな特徴があります。
2024年、JAPAN年間ランキング1位に輝いた有原竜太プロのフォームには、派手さはありません。
ですが、その動きには、誰もが見惚れるような“美しさ”と“再現性”があります。
本記事では、有原選手のフォームを7つの項目(セットアップ〜フォロースルー)に分解し、解剖学の視点から筋肉の使い方と身体操作の精度を徹底的に解析していきます。
「なぜ、あの一投はブレないのか?」
その答えは、見えない筋肉の動きと、見落としがちな構えに隠れているはずです。
有原竜太プロのセットアップと肘の安定性とは?
有原竜太プロのセットアップ

有原選手のセットアップでまず目を引くのは、明確に膝を曲げたスタンスです。
多くの選手が膝を伸ばして構える中、有原選手は膝を緩めて重心を落とし、足裏全体で地面をしっかりととらえる。
これにより、体幹が安定し、肩や肘に余計な力が入らない理想的な“脱力状態”が作られています。
有原竜太プロのセットアップでは、肩や肘の高さが安定し、全身が無駄に力まず静止しているように見えます。
このとき身体は、足裏から体幹、腕の先までが連動し、力まずに立っているのに、全身が安定して支えられているような状態です。
関係する筋肉
有原選手は、やや母趾球寄りの足裏全体で接地し、外側へも力を逃がさず地面を“とらえる”ように立っています。
足裏で安定を感じながらも、足指を使った柔らかい接地で、上半身の力を受け止めています。
✅ 僧帽筋中部・下部
肩甲骨を内側・下へ安定させることで、肩が上がらず滑らかに構えています。
✅ 前鋸筋
肩甲骨を胸郭に固定し、肩が内巻きにならない安定した姿勢を作ることが可能です。
✅ 腹横筋
腹圧を高めて体幹を安定させ、軸が安定・姿勢が崩れません。
✅ 腸腰筋
骨盤の前傾をコントロールし、股関節で自然に立てるスタンスになります。
✅ 内転筋群
脚の内側から骨盤を支えることで、下半身がブレない安定感がでます。

簡単に膝を曲げると書いていますが、再現性が求められるダーツにおいてはかなりの高等技術だと感じています。
テイクバックの滑らかさがフォーム精度に与える影響

有原竜太プロのテイクバック
有原選手はテイクバックの際、肘を支点にせず、腕全体を肩甲骨ごと滑らかに引いています。
引いてくるのは、ほんの僅かな動き。
バレルは直線ではなく、自然なカーブを描くようなスムーズな動き。
関係する筋肉
この静かな引き動作を可能にしているのが、以下の筋肉群です。
✅ 菱形筋
肩甲骨を内側に引き寄せ、肩甲骨の安定と引きの土台を作ります。
✅ 肩甲下筋
肩関節の安定性を保ちつつ、過剰な内旋や外旋を防ぐことで、スムーズな可動を支えます。
結果として余計な揺れやねじれを抑え、肩の位置や角度がリリース時に保たれます。
✅ 上腕二頭筋
肘を固定するために少し緊張し、引きすぎず自然な位置でキープします。
✅ 回外筋
前腕を外旋させ、バレルの角度を整えるための回外動作をサポートします。
✅ 橈側手根伸筋
手首のわずかな角度調整で、リリース準備の繊細な手首姿勢を作ります。

リリース準備の“静止”を支える筋肉と指先のバランス制御
有原竜太プロのグリップ

有原選手のフォームでもう一つ特に特徴的なのが、人差し指を立てた独特なグリップです。
この指はバレルを押し出すためではなく、“抜け”をガイドする役割を果たしています。
添えるように立てることで、リリースの角度やタイミングを繊細にコントロールでき、結果として高い再現性を生んでいる。
テイクバックの終点で、有原選手はバレルをピタッと“止める”のではなく、あくまで“そこで静かに留まっている”ように見えます。
しかし、この瞬間、筋肉は脱力しつつも繊細にバランスを保ち、リリース直前の精密な制御を支えているのです。
関係する筋肉
✅ 浅指屈筋
指先の屈曲とバレルの保持に関わり、軽く添えるように安定させる
✅ 長母指屈筋
親指の保持力をコントロールし、力まずに支えてリリース準備を整える
✅ 腕橈骨筋
前腕の位置保持と微調整により、テイクバックの“止まり”を滑らかにする

ブレないリリースを可能にする筋肉の使い方とは?
有原選手のリリースは、力感がなく“スッと抜ける”ように見えます。
手首も指も返らず、腕の流れに乗って自然に開放されている。
関係する筋肉
リリース時に必要なのは“押す力”ではなく、“抜けるための支え”であり、以下の筋肉が繊細に働いている。
✅ 長母指伸筋
親指を伸ばしつつ抜けを誘導し、指先で“押す”のではなく“滑らせる”感覚をつくる
✅ 総指伸筋
他の指をスムーズに開放し、リリースの瞬間に力まず自然に抜ける
✅ 橈側手根伸筋
手首の角度をキープし、手首の返しが強くなりすぎずバレルの軌道が安定する

手の甲側の前腕に関わってくる筋肉がありますね。
指先まで影響している筋肉、手首までの影響がある筋肉と色々ありますね!
安定したフォロースルーを生む体幹と腕の連動|筋肉から見る構造的強さ
有原竜太プロのフォロースルー

リリース後、有原選手の腕は止まることなく自然に前方へ流れています。
腕が流れきるまで体幹は揺れず、視線も変わらない。
余韻のあるフォロースルーは、次の動作へのスムーズな移行を生み出し、フォーム全体の一体感を作っている。
関係する筋肉
この動作を支えているのが以下の筋群です。
✅ 上腕三頭筋
肘から先の自然な伸展をサポートし、自然な流れで前方へ腕が伸びる
✅ 僧帽筋・広背筋・肩甲骨周囲筋(肩甲挙筋、前鋸筋、僧帽筋、菱形筋)
フォロースルーの終わりまで姿勢を崩さず、腕の流れを滑らかに導く

❓「体幹と腕のつながりを崩さず、余韻を作る」とどうなる?
一投を“きれいに終わらせる”ことで、次のセットアップにもスムーズに入れます。
フォームの“出口”と“入口”が一致することで、動作がひとつの流れとしてつながり、再現性・精度・集中力がより高く維持されます。
有原プロが“セット全体”を安定させる理由|次の一投まで崩れない動き
有原選手の凄さは、一投ごとが独立せず、連続した一連の流れとしてつながっています。
ダーツは3本1セットと言われることがありますが、まさにそれです。
フォロースルーが終わると、身体を崩さずそのまま滑らかに次のダーツへと移行する。
この連続性こそが、1本ごとの再現性ではなく、“セット全体の安定”を生む要因となっている。
有原竜太の“静かな一投”は、再現性と感覚の極みだった
「同じことを、何度も、ブレずに繰り返せること」
有原プロのフォームは、まさにその体現でした。
セットアップからフォロースルー、次の一投へ。
どこにも無駄がなく、しかしどの瞬間も生きている。
足元で重心を支え、肩や肘に余計な力を入れず、末端まで丁寧に動かす。
有原選手のフォームやグリップはやや特徴的に見え、また派手さはないように感じていました。
しかし、極めれば極めるほど、その強さが見えてくるフォームなのかもしれません。
解析にあたっては、ダーツライブTV様、JAPAN PRODARTS様、あーりーちゃんねる様の動画を使用させていただきました。
自己解析のため、誤っている箇所や解釈などもあるかとは思いますが、上達の一助になれば幸いです。

この記事が参考になったら、ぜひSNSで拡散してください!
有原選手が使用しているバレル、シャフトはこちら
消耗品などの買い忘れはありませんか?
これらの本は初心者の方も読みやすく、分かりやすく非常にお勧めですです
関連記事


フォームに関係するカテゴリはこちら👉https://www.dartslog.com/category/dartsform
参考記事
ダーツライブTV[GOOD DARTS] https://dartslive.tv/channel/gooddarts
有原選手のX(旧Twitter)はこちら
筆者の簡単なプロフィール
ダーツ歴12年、PERFECTプロ歴3年。
ダーツの技術やバレルの特徴を調べるのが楽しみです!
実際に投げたバレルは400種類以上。(2022/3月現在)
数多くのレッスン受講歴あり、イップス・グリップイップスという経験から自身でも身体について勉強しています。