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バレルにより、材質:タングステン95%、90%、80%と書かれています。
これは、バレル(金属)を作成する上で「タングステン」がどの程度含まれているか(含有率)を数値化しているものです。
この数値の違いがバレルにどのように影響するのかご存じでしょうか。
- タングステン含有率が高いから、金額が高くて良いバレル。
- タングステン含有率が低いから、金額が安くて、初心者向けのバレル
このように考えている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事を読むと、バレルの材質の違いによる品質や金額の違いを知る事が出来ます。
筆者の簡単なプロフィール
ダーツ歴10年、PERFECTプロ歴3年。
ショップで試投させて頂いたり、実際にバレルデザイナーとして活躍されていた(いる)方からイベントなどで伺った内容、ブログ等でオープンにされていた知識等を基にバレルの分析をするのが楽しみです。
実際に投げたバレルは250種類以上。(2021/6月現在)
また、数多くのレッスン受講歴があり、イップス・グリップイップスの経験から自身でも身体について勉強しています。
タングステンとは何か
タングステンとは、スウェーデンの言葉で「重い石」という意味をもつ、熱に強く、硬く、重いという性質を持つ希少金属です。
バレルの主な材質として使われるようになった経緯は定かではないので省略しますが、バレル材質に適している為、採用されています。
ダーツは、戦場で兵士が遊んでいたものから始まり、ゲームとしてはスティールダーツが発祥となります。
狭いエリアに3本入れる事を考え、細くて、重いバレルを求めた結果、上記性質のタングステンが使われるようになったと考えられます。
バレルの作り方
バレルは以下の工程で作られていきます。
1.混ぜる
タングステンは粉末状で仕入れされ、他の物質と混ぜ合わせます。
ここで使われる他の物質は各社で異なり、ニッケル、銅、鉄 等様々です。
このタングステン以外の物質を気にする方は、殆ど居ないでしょうし、各社も公開はしていないでしょう。
また、タングステンの産地にも差があり、品質に良し悪しがあります。
こちらも各社で違います。
バレル品質の良し悪しというのであれば、ここでの産地や残りの材質を気にする方が良いと考えています。
ここでのタングステンの含有率が、材質に書かれているタングステンの数値となっています。
2.プレスする
混ぜ合わせたものをプレス成型で、チョークのような形にします。
3.焼結
次に焼結する事で、上記を緻密にしていきます。
焼結した際にプレスした時の形から、少し縮みます。
4.加工
切削加工、研削加工、放電加工を行っていきます。
5.折る・削る
加工した後、検査やバレル作成の為、長さに合わせて折っていきます。
そして1本、1本削っていく事でバレルが作られます。
※上記は一例であり、全てのメーカーが同じ工程で行われているかは定かではありません。
タングステンは硬いため、含有率が高ければ、それだけアウトラインやカットを削るのが難しくなります。
タングステン以外の他の材質を混ぜることで、加工しやすくするという利点があります。
関連動画にTARGET社の工場でバレルを削っている動画を載せておきますので、バレルの作られ方に興味がある方は是非ご覧下さい。
タングステン含有率の違い
タングステン97%はありますが、100%というバレルを私は確認したことがありません。
多くは、タングステン95%~80%のバレルです。
硬い
タングステン100%のバレルがないのは、折れやすいためとお話を伺った事があります。
タングステンは非常に硬い為、他の材質を加えることで加工しやすくする他、バレルが折れづらくなります。
タングステン含有率が高ければ、その硬度のためバレル同士の衝撃によるカットの摩耗が激しい可能性があるとも言えます。
※カットやコーティング等にもよります
95%のバレルが折れたという話は聞いたことはありませんので、使用上は特に問題ないです。
重い
タングステンの2つ目の性質、「重い」。
タングステンの比率は19.3 g/cm3と鉄の約2.5倍の重さを持ちます。
タングステン100%で、全長40.0mm、最大径7.0mmの円柱(ストレートバレルのようなイメージ)の重さは、約30gとなります。
イメージ図
※実際にはチップ・シャフト接続部の削りや、材質に他の材料も配合するので、これよりも軽くなります。
細いバレルや短いバレルで重さを出そうとすると、どうしてもタングステン含有率を上げるしかありません。
以下2つの例では、同形状で重心を変えず、重量のみ変更するために材質を変更しているのが分かります。
タングステン80%でも十分
ある程度の太さ・長さがあり、タングステン80%で希望の重量が確保出来るのであれば、個人的には80%でも良いと思っています。
ソフトダーツでは、バレルの中を削ることで、意図的に重心位置をズラすことがあります。
しかし、中を削ってしまうことで空洞が発生してしまい、「中が詰まっている箇所」と「空洞の箇所」が出来ます。
賛否はありますが、これを嫌うプレイヤーもいます。
タングステン90%で作って、中に多く空洞を作るよりは80%で作り、中が詰まっている方が良いという考え方です。
スティールダーツでは、中を削るという考えが一般的ではないようです。
ダーツ同士をぶつける(スタッキング)ことを前提に考えているスティールダーツでは、ダーツのパワーが失われる事を嫌う為と考えられます。
スティールダーツとソフトダーツを両立している選手は、両者の投げ感を近づけるため、ソフトとスティールでバレルの材質を変えている選手も居ます。
トリニダード ゴメス12
- ソフトダーツ:タングステン80%
- スティールダーツ:タングステン90%
ジーズダーツ デルソール3
- ソフトダーツ:タングステン90%
- スティールダーツ:タングステン80%
ゴメス12はスティールとソフトで形状の変化もある為、一概にいう事は出来ません。
しかしながら、タングステン80%だから「初心者向け」というわけではない。という事です。
タングステン80%バレルが初心者向けと言われる理由
所謂、初心者向けと言われるバレルは、タングステン80%の物が多いです。
それは、金額が安く、購入しやすいからです。
バレルの材質に、初心者向けも上級者向けもありません。
しかし、ダーツを趣味としている多くの方が使われている。または人気の高いバレルは1万円帯が多いと思います。
それは、カットやデザイン、コーティング等による金額の違いです。
タングステン80%モデルが安価な理由
以前紹介したバレルで、「SOLO 80 GEN 4」、「THE MIRACLE GENERATION 2 80%」があります。
これは安価な金額でオリジナルモデルに近づける事が出来ているかを比較した記事です。
画像の通り、ザ ミラクル80 G2は、リングカット、マイクロカットという比較的簡易で少ない工程で作成されています。
一方、ザ ミラクル G2は、カット部には複雑なデザイングルーヴを採用し、バレル中央部にダイアモンドシェイプ、PVD ブラックコーティングをする等、作成工程が多くなっています。
作成工程が多く、複雑になれば、当然金額も高くなります。
全体的にタングステン80%モデルは、少ない工程で作成されているため、安価であることが多いです。
金額の差=作成工程の数や複雑さの違いと考えると良いでしょう。
タングステン80%でも、とても複雑で工程数も多く、コーティング等にも拘ったバレルであれば、高価になる可能性は十分にあります。
また、カットやデザインには好みがあります。
タングステン95%が、タングステン80%より優れたバレルという訳ではありません。
「私は複雑なカットは不要。リングカットで十分。」、「デザイン性も不要。シンプルなバレルが良い。」
そんな方はタングステンの含有率や金額を気にすることなく、自分に合うバレルを選択する事をお勧めします。
タングステン70~80%のお勧めのバレル
タングステン70%~80%台でも使いやすく、安価なモデルは多くあります。
ここでは個人的な好みですが、一部を紹介します。
【ダイナスティー】エーフロー ピンクラベル ファロン80
【ターゲット】カラーズ プライム ダンシングダック
【ターゲット】カラーズ プライム MAYO
【ワンエイティ】ウロボロス80
まとめ
今回のまとめです。
- タングステンの含有率で品質差はない。
- タングステンの含有率は、作成されるバレル重量で調整される。
- タングステン80%=安い=初心者用バレルというわけではない。
- 80%モデルは、作業工程が少なく安価な傾向がある。
- 金額や材質に捉われず、自分に合うバレルを選ぶ事が大切。
タングステンの含有率とバレル品質の差等について、お話しました。
自分にぴったりなバレル探しの基本的な知識として、覚えておいて頂けると嬉しいです。
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それでは!